何年歩もうがレストラン経営は泣き笑いだ。営業中に停電になる。従業員がまとめて辞める。誰かが金をくすめる。めかし込んでる客に醤油をかける。髪の毛が入っていたと言いがかりを付けられる。客が転ぶ。食べ物を喉につかえさせる。毎日毎日何が起こるか分からない。目の前に起こった問題に身体が自然と反応して対処し始めることで次のステップに繋がる。変化に富んだ毎日を否応無く突きつけられるのがレストラン経営でありシステムやマニュアルで事足りる業種ではない。意思が要求され能動的姿勢が要求される。毎日数十人数百人という客に揉まれていると人間強くなる。霊的内的なものが鍛えられる。客の数だけ接し方、問題が起こったときの対処の仕方、喜ばし方は違う。そこにテクニックやマニュアルは通じない。謙虚な想いと感謝の想いがどれだけ自分に備わったかで相手への対し方が見えてくる。問題から逃げるのではなく問題の中に自分から入って行こうとする姿勢が自分の自然体となることによって業務を続けられる。
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