2007年8月25日土曜日
アメリカ経済が崩壊する日 (2)
金融機関、証券会社、ファンドが住宅ローン担保証券(MBS)に飛びついたのはその利回りにある。なかでもサブプライムローン担保で作られた合成証券の利回りは更に高い利回りがついている。どんなにローンが高すぎて延滞が増し流れる物件が出たとしても取り上げて売ってしまえば利幅はしっかりでる。前にも記したように住宅購入者はその不動産価値があがっていくものという信仰が前提で投資する。したがって身の程を超えた価格が付けられた物件でも払いきれない借金(ローン)を抱えて購入する。サブプライムは最初の三年位は低金利に抑えられている。プライムローンで高い金利を払わずにとりあえず自分の持ち物となり月々の支払いも少ない。どうせ上がるのだからという思いがある。しかし悲しいかな不動産神話は崩れる。2005年の最高値を境に上げ率が低下し更に横ばいとなりそして下がり始める。店を経営してみて解かるのは売上げが上がっているうちは全てがうまくいく、ように感じる。全てがうまくいっているのではなく売上げ上昇がマイナスポイントをカバーしてくれるのだ。しかし右肩下がりに転じたとたんカバーされていたマイナス面が一気に吹き出る。売上げが上がっているうちに締めるところを締めておかないと人件費も経費も膨らみすぎて下がり始めたとき潰すしかない状態となってしまう。国家経済、世界経済もその通りで膨らんでいるうちは(資産価値が上がっているうちは)どんな投資をしようがハイリスクハイリターンの証券を買おうが全ては吸収される。しかし一旦提示された住宅価格に不信感を覚えはじめMBS(住宅ローン担保証券)に危機感を感じ始める全体の認識が七割を超えてくると一気に下り始める。8.09ショックはその臨界点に達したと言っていい。アメリカの住宅ローン残高は10兆ドル。そのうち証券化されたもの(MBS)は7兆ドル。8.09を境にその証券に手を出そうとするものはいない。半値落ちの証券になってもとにかく処分したいと躍起になっている。欧、米、日の中央銀行が0.3兆ドルの証券買取(買いオペ)をして緊急資金供給を行う。焦げ付き不安のあるサブプライムは1.4兆ドルなのでこの調整で十分だとFRBは見解をしているが、アメリカ経済の崩壊が見え始めたのはあの日(8.09)だったと言う時が必ず来る。自分はそう予言する。
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