2023年3月19日日曜日

今日の想い 1227

 金融バブルの意味をしっかり把握する必要がある。債権の膨らみばかりに意識を持っていきがちだけれど、誰かの債権は誰かの負債であり、トータルの債権が膨らめば同じようにトータルの負債も膨らんでいる。会計に少しでも関わっていれば自ずと理解できるが、ようはバランスシート、賃貸対照表であり、デビット一方だけが膨らむことなどあり得ない。しかし世情に現れる場合、時差で、あるいは交互に世情空気という感情に現れるものだから、バブル景気と言われるように喜びの興奮だけをバブルとしている。喜びの興奮と悲しみ怒りの落胆とは対になっていて、この両者でバブルだ。本来、リーマンショックの時が興奮から落胆へのターニングポイントだったはずだが、FRBは金融緩和(QE)というカンフル剤を嫌というほどに金融経済に注入して、興奮の山頂を更なる高みにと世界を仕向けてしまった。リーマンショックでさえ米国全ての銀行が保有債券の含み損で破綻しかけていたのに、キリマンジェロ級の最大のバブル興奮、それに追随するバブル落胆は金融システムを一瞬で崩壊させる核爆弾を抱えていて、リーマンショックどころの比ではない。その地獄を垣間見たのか、バイデンとパウエルはSVBの取り付け騒ぎに一瞬で蓋をしてしまった。引き締めでバブルの沸騰度合いを下げ始めた矢先の突発風船破れに、あろうことか緩和と利下げをちらつかせ、取り敢えずの全預金保護という鎮静剤もどきで蓋をして繕った体にした。そんな小手先に耐えられるバブルであるはずはないが、後の祭りで安全だ安心だと叫ぶ以外何もできない。これから何度鎮静剤もどきを重ねられるだろう。すでにバブル興奮は臨界点を超えている。金融核爆弾は意識の下で破裂し、その破壊の風圧と底なしの落胆を瞬時の未来に経験するかもしれない。

0 件のコメント: