2019年6月1日土曜日

コンマリ

アメリカでコンマリは爆発的と言っていいほど人気がある。日本に比べれば2、3倍はある住居スペースでありながら、収納しきれないほどの物を買い貯めてクローゼットに押し込み、さらに収納専用のストレッジまで借りて、将来二度と手を付けないであろう衣服や小物やおもちゃやもともろを押し込んでいる。物を処分できないのは妻のみならず、アメリカの御婦人方の殆どが同じ症状を持っているらしい。コンマリ曰く、キュンとするものときめくものを残し、それ以外は感謝を届けた後処分する。それから収納に関しても大切なものへの感謝を表した収納を考えている。彼女がここまで意識を持つ切っ掛けが、娘が丁寧に服を畳んでいる様子をみて物への想い、愛が伝わったからだと言っている。彼女が注目される所以はこの物への愛だ。物をモノとして扱わないという、このアメリカ人にとっての目新しい意識に精神性を感じて注目されている。私もひとつの小さい頃の記憶がある。街に出ているいとこ叔父が訪ねてきて母が遅い昼食を出した。簡素な貧しい料理だったが彼は実に美味しそうに食べた。どうしてだろうかと子供ながらに考えたとき、行儀よかったこと、丁寧にゆっくり食べていたこと、そして一口一口上品に口に運んでいたこと。自分も同じようにやってみて、扱い方によって同じ食べるものでもこんなに味が違うんだと思わされた。コンマリは物への愛情が強いし、そうあることで物から受け取る美も人一倍大きいはずだ。物をモノとして見ていないし扱っていない。霊界を信じ霊的感性を取り戻そうとしている食口なら、その意識をさらに超えて、発する声を聞き新たな価値を差し出してくれるまでにならなければ本物とはいえないだろう。

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