2015年12月2日水曜日

今日の想い 897

アメリカは人種の坩堝だといわれるけれども、いささか古い言い方ではあるがその通り多くの人種が集まっている。当然店の従業員もいろんな人種がいるが、現在は中米とアジア圏の従業員で回している。キッチン、カウンターのプロダクトサイトはホンジュラス、エルサルバドル、ベトナム、ネパール、そして日本の兄弟で回している。ホンデュラス、エルサルバドルはスパニッシュ圏で言葉も同じ人種も同じだが何故かエルサルバドルはホンデュラスに対しては上から目線で対しがちだ。ベトナム人は魚の卸でも雇っていたから良く分かるが、勤勉であり労働意欲も強い。他のどの従業員よりも良く働くのがベトナム人だ。暇なときでも自らやるべきことを探して、時には人の仕事を奪ってもやるという風に、対時間人件費効率は他の従業員に比べてずば抜けている。手先も器用なので日本企業がベトナムに工場を作るのはもっともだと思える。今年に入って雇ったのが若いネパール人だが、日本料理も知らず使う食材も知らないという知識の量はマイナスだったが、彼を雇おうと思ったのは純粋さが言葉や表情から滲み出ていたからだ。特に澄んできれいな目に私は自分の子供に対するような感情さえ覚えた。フロアは中国、台湾、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、韓国で、日本人はいない。中国は広いので中国人と一括りにはできないが、先ず日本人が認識しておくこととして我良しが根底にあると思っておかないと裏切られ感は半端ない。自分の利益になるとわかると頭も回り行動力も優れている。アメリカの中枢部はアングロサクソンで占められていると皆思っているが、表向きはそうかも知れないが片腕や支えとなって遂行しているのは中国系アメリカ人が意外と多い。台湾人は日本人にも日本的マネージメントにも好意的で能力のない私を支えてくれる。タイ人は謙虚であり人当たりがいいのでサービス業には適していて、雇っていてストレスを覚えることは無い。インドネシア、マレーシアは他民族だがアメリカで働く多くは華僑系で自国の言葉も中国語の幾つかも話す。良い意味で能天気で日本人なら悩みこむようなことでも気にもしないという大らかさがある。小事で常に悩んでいる私に、だから禿げるんだと笑い飛ばす彼女らをどれほど羨ましいと思ったことか。韓国人は兄弟であれば誰もが知っている韓国人そのものだ。強情な人であれ物腰柔らかい人であれ、人に使われる身ではないという信念が奥にある。よって長続きはしない。ただ済州島の出身だという女性は忠実であり驚くほどよく働いてくれた。多人種とかかわりあって働きながら和の力こそが日本人の特性だというのがよくわかる。今現在フロアに日本人がいないので実にギクシャクしている。まとめる者がいないと俄然中国系が言葉を強くし、楽をして旨い汁にたかろうとしてくる。時に痛いところを突き、時に下手に出て、またある時は涙まで流してマネージメントを撹乱させる。だから遠ざけるのではなく、だからそこから学ぶのだと思えなければやっていけない。世界情勢の縮図がここにあり、世界平和への道はここで編み出される。道のりは長く途切れることは無い。30年営業を続けてこれたのは甘受の一言に尽きる。結局は忍耐した者勝ちだ。人に対してもそうだし霊界に対してもそうだ。期間が満ちれば次の扉が開く。

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