2026年3月23日月曜日

今日の想い 1460

 おかしく思うかもしれないが、一人残った母に新しい仏壇の購入を勧めた。田舎にある祖父が供えた仏壇は色も褪せ艶もなくなり、それでも移った家に移動させようとも思ったが、大きすぎて置き場所がない。無いということもないが部屋も小さくてどこに置くにしても合わない。小さな家には不釣り合いだ。しばらく御本尊だけを座り机を台にして置いてお参りしていたが、父が亡くなったのを機に、少し小さめで床の間に収まるものを迎え入れようと説得し、展示会場に連れて行った。小ぶりなものでも結構値が張る。湯呑入れのような最小のものから襖二枚ほどもあるものまで様々だった。一つ一つ見て回りながら値札を見て驚いてはいたが、「これが良さげだ」と展示会場の隅にある展示物の前で立ち止まった。光沢のない実に質素な箱だけの代物だった。安いのは安いがそれでも20数万の値札が付いていた。母にすればそれが出せる精一杯だったからそれを選んだのだろう。「お金のことは心配せんで気に入ったものにしよう。足りない分は出すから、、。」そう言って艶の或るそれなりの仏壇を見つけて指さした。母の顔色を窺うと気に入ったのはすぐに分かった。値段は倍で少し苦しいが生活費を削ってでも母の喜びには代えられないと思った。母としては見るだけだと思って勧められるままに来たのだろうが、契約を終えて帰る車の中で、「これも縁じゃけえ」と遠い耳に口を寄せて伝えると、母は納得したように嬉しそうにしていた。教会には献身もし、ビジネスでは誰よりも献金してきた。帰るまで親の生活費を援助したこともないし、誕生日には子供騙しのお菓子で済ませていた。ある程度まとまったお金でプレゼントした最初で、更に最後になるかも知れないという買い与えたものが仏壇か、、と複雑な気持ちになった。

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