2018年8月11日土曜日

今日の想い 993

one..
現実が襲い掛かる現場では、人材不足以前に人手不足に振り回される。手足となって動いてくれる従業員は年中欠けていて、マネージャーとは名ばかりで実際は穴埋めに奔走する毎日だった。今日の営業を回すので精一杯でマネージャーとして店を切り盛りする状態にもなかった。これがレストランの現実だ。その現実にどう対処し、どう結論をだしたか、、。人手不足を補うために一世にも二世にも声をかけ、対面で話す機会があればレストラン摂理の重要性を一生懸命説いた。一応頷いて聞いてくれはするけれども、どうも打てど響かずで殆んど素通り状態だった。私の食口に対する不信感は募るばかりだった。彼らの言い分は時間的に合わないとか、夜遅くまで勤めたら家族に接する時間がなくなるとか、いくらか正直な食口であれば体力的に自信がないとか、接客業には向いていないとか、もっと楽に稼ぎたいとかだったが、そんな断り文句のオンパレードだった。要するに生活が主体でそれが彼等の最重要課題であり、レストランに対する摂理云々とまではいかずとも、せめて内的にも外的にも成長したいという意志を持っている食口はと探したが、結局会えなかった。外的なことからだけでも、例えば大金持ちになりたいとか、店のオーナーになりたいとか、しかしそんな欲を持っている食口でさえとんと会えなかった。みんな祝福を受けた時点で終わっているなと思った。生きた熱のある食口はいなかった。後継者不足に頭を抱えている本部は、二世が入りたいと思えるような事業組織に変えていくべきだと、しかしそれが具体的には何を指しているのかずっとわからないままだった。そんな中、やっとの思いで一人の二世を迎えることができた。1年間レストランで勉強したいという期限付きだったが、それでも成長したいという意志を持っていることに喜んだ。自分の取り分を抑えてまでも給料はしっかり払ったし、ミーティングも毎週持ちながら、ここで歩むことへの内的霊的意味を伝え続けた。やる気さえあれば店を任せるし、一生懸命貯めてきたキャッシュをどう使うかも任せようと思った。私の彼への入れ込みを見て、30年勤め上げたきたフロアマネジャーはいい顔はしなかった。当然だろう。しかしそんなギクシャクがあっても私は彼に期待し続けた。でも彼は1年であっさり辞めた。ひとつは祝福の問題もあったが、彼のやりたい仕事ではないという結論だった。私はひとしきり落ち込み、そして悩んだ挙句に、店を手放す決意を固めた。先行きわからない大家とのリースの問題も確かにあったが、人材不足、引き継ぐ誰も見つからないという現実に私は私で結論を出さなければならなかった。それはこの店を売却するという結論だった。

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