2018年8月12日日曜日

今日の想い 994

two..
売却という結論を出しはしたが、超えなければならないハードルは高くて幾重にも続いていた。外的なことを言えば先ず信頼の於ける不動産エージェント、住宅の売買とは違うのでコマーシャル、特にレストランビジネスに特化したブローカーを探し出す必要がある。売買成立はこのブローカーの本気モードに拠るところ大だ。と同時にランドロード(大家)とのネゴシエーション、売買契約は成立してもランドロードがOKと言わない限り契約は水の泡であり、バイヤーの資産状況から経営能力と経験、彼の背景と人柄等々、ランドロードが細かく調べてOKを出すが、それ以前の事として一体どんな店舗を入れたいのかというランドロードの希望に叶わなければ話を進めても意味がない。もちろんバイヤーが今の店を引き継いでやっていけるのかもこちらはこちらで見通しておかなければ、リースの契約書上もし中途で投げ出されでもしたら責任の全てはこちらが負うことになってしまう。主要な従業員が辞めてしまって引継ぎがうまくいかないという問題もあるので、そこの手配もしっかりしておく必要がある。ブローカーはユダヤ系、中国系、韓国系といるが今の店の雰囲気や経営スタイル、需要から言えばチャイニーズが望む業態だろうから当然中国系のブローカーで、その選択には迷いはなかった。やはり問題はランドロードとの交渉で、この事案に関してのやり取りの量は過去30年のやり取りの量を足してもその何倍にもなった。最初はブローカー任せだったがやはり長年付き合ってきたテナントとして私が交渉しなければ何も始まらないことに気付いた。オフィスにもアポイントを取って何度も足を運んだ。向こうが遠ざけておきたい様子でもとにかく足を運んだ。向こうにすれば押しかけられたと思ったに違いない。しかし30年を超えて高いレント料を払い続けてきた功績は認めているはずで、押しかけるぐらいでも話は聞いてもらえる確信はあった。ブローカーに店舗売りのリストに上げてもらって一年くらい経った頃、関心のあるバイヤーが同時に二人、というか2団体現れて、それからの半年間今までに経験したことのない緊張感の路程を手探りで進めていった。ランドロードも許可を即決してくれて、仮契約して直ぐにでも本契約に入れれば一番いいのだが、長引いていけばいくほどバイヤーには良くない情報も入ってくるしやる気も失せてくる。正直なところランドロードが乗り気でないためにバイヤーも諦めムードで、私自身も諦めかけていた。しかしダメもとで最後の最後に陳情しに行ったことで本気度がやっと相手に伝わって歯車は動き始めた。

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