2018年9月21日金曜日

今日の想い 1002

田舎の実家にしばらくいた。この夏、西日本は豪雨災害に見舞われたが、実家の辺りも雨量は相当なものだったようで、玄関の戸を開けたとたんに湿気を帯びたかび臭さやすえった臭いが鼻を突いた。上がってすぐ部屋着に着替えて腰を落とすと周りを見渡した。いつもなら炬燵が出ていてもいいころなのに未だに扇風機をガンガンまわしている。暑いからというより湿気を追い払う必要があるらしい。なんか湧いて出そうだなと母にいうと、案の定後ろの方でナメクジが出てくると一言ポツリと返ってきた。とっさに笑い飛ばしたがナメクジに体を這われるような気持ち悪さはずっと残った。母は気付かずに踏んでしまったようで少々洗っても粘りは落ちないらしい。気を付けろと忠告されたが言われるまでもないだろう。それから便所に行く度に昼間でも、暗い道筋を目を凝らしてゆっくり歩を進めた。この歳でナメクジなんぞに振り回される自分が何とも情けないがこれが生きる現実だ。夜行性らしく来た当日の夜とその朝方、二回ほど出くわしたがそれからは目にすることはなかった。このナメクジ事件で、ナメクジは気持ち悪いのにカタツムリはどうして平気なのだろう、とか蛇は気持ち悪いのにウナギは触れるしヨダレさえ出てくるのも不思議だ、とかそんなどうでもいいことを考えさせられる羽目になってしまった。用事があって一旦は実家を出たが数日してまた帰ってきた。その間弟夫婦が盆に来れなかったのを返上するために来ていたらしく、母は嫁さんの闊達な話しぶりを報告してくれた。今回妹には会ったが弟には会えず、実家にいた間連絡を取ろうとしてくれたようだが繋がらなかったらしい。踏まれたら困るのでナメクジの件は話したようで、嫁さんは途端に顔が変形するほど気持ち悪がったようだ。一晩は泊まったがあくる朝逃げるようにして帰っていったという報告を聞いて久しぶりに笑い転げた。簡単なつくりの、更に100年は優に超えているこのあばら家を一体どうしたものか。父は住む人間もそう長くはないので放っておくしかないと口にするが、短いだけに少しの間でも環境を整えてあげたいと思うのだが、、一体どうしたものか。

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