2018年11月29日木曜日

裁かれる

私は霊的捕虜として捕らえられている。それは例えれば心臓収縮による痙攣によって息詰まるというような、そんな重すぎる告白を浴びせられることから始まった。私の魂の中には解決策どころか、どうしてそんな事態が起こりうるのか僅かの発想すらもなかった。血流が止まって思考が全く働かなかったし、今思い出そうとしても吐き気を帯びる緊張感で息苦しくなるだけだ。この小さな私の魂に、これほどの重い十字架を何処のどんな存在が運び込んだのだろう。しかし前に座って何の悪びれる様子もなく、笑顔で溢れるその表情は幼子そのもので、それが更に背負わせた十字架を重くした。日頃は見ないその笑顔が悲しくて悲しくて苦しかった。幼子をまんまと餌食にしておきながら、背後にいる悪魔は私と目を合わせるでもなくその場を見守ったままだった。その場にいる間、そして今でも、私はというと激しく金縛りにかかったままだ。魂は縛り付けられて息をしているのが不思議なくらいだ。あくる日になって、喘ぎながらもやっと涙がほんの少し流れてくれた。本当は滝のような涙を流したい。親としての涙。み言葉を渡せなかった涙。そして恨みの想いも涙となって溢れて欲しい。どうして先祖は守ってくれなかったのか。神様はどうして悪魔の行動を許したのか。ここまでの事態になっていたことにどうして自分は気付けなかったのか。一瞬にして地獄の底へ突き落された。這い上がる気力は全くなかった。そして私は心を閉ざし、時間の経つ秒針の音だけを追いかけている。今は何も考えたくない。できればこのまま消え入りたい。

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