2021年10月23日土曜日

今日の想い 1117

 ユクムソクという障害のある夫婦の話が「平和の主人、血統の主人」の中に出てくる。御父様が住んでおられた村で暮らしていて、女性は足も使えず腰も伸ばせないが、目と耳と口は正常、男性は目が見えず、話もできず、手足も不自由で座ることもできない。そのような二人が結婚して、ある11月雪が降り始める前に、二人が御父様の故郷に訪ねてきて、松の木陰の夕焼けのとても暖かい所で、二人で食事を取りながら、二人で寄り添って座り、喜びながら眠りについて、そのまま逝った。障害があったとしても結婚して一緒に暮らせば天の国が待遇してくれるという一つの例として、絶対「性」の重要性として話されたのだが、この二人を見る御父様の視点の素晴らしさが伺われて大好きな個所のひとつだ。おそらく普通の人であれば、何とも切なく可哀想で同情心を誘われるのだろうが、御父様はこの二人を可哀想だとは思っておられない。それは「喜びながら」と表現されているように、そこに夫婦の愛の喜びを他の感情の何にも増して見ておられる。神様が抱かれながら天の国に迎え入れる、その夕焼けに照らされる寄り添う二人を想像すれば、どれほど夫婦愛の美しさを御父様は二人に見ておられたのだろうかと思う。イエス様が道端で腐ったロバの死骸を目にされたとき、剥き出しの歯の白の美しさに感動されたという話とリンクして、対象の何に相対するかは主体がどういう存在なのかによるのであり、御父様が愛の理想に貫かれた御方であることをこの話は証明している。

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