2024年6月3日月曜日

今日の想い 1297

 インフレの嵐が押し寄せている。日本は対米追従だからアメリカの言われるままに政策を立てている。それは経済政策も同じで、政府は国民に顔を向けているように見せかけ実はアメリカに顔を向けた政策しか立てない。円安がいいのは日本が輸出に強い東北震災以前の話で、輸入に依らなければエネルギーも食糧も自給できない今の日本に取って、円安ほど国内インフレに直結し国民を貧しくする状態はない。かつて戦後の英国がGDPの二倍の戦争国債を抱える借金大国だったが政策として金利を極限まで抑えるインフレ政策によって借金を減らして行った経緯がある。知らない者も多いが、インフレには国債という国の借金を減らす働きがある。要するに国民にインフレという物価高(通貨安)を強いて実質的に国民の所得を国の所得に移転させている。日本はGDPの2.3倍、1200兆円の借金を抱えているが、インフレで円の価値を減らして行くことで借金の数値は同じであっても数値の意味を変えている。明治時代の百円が莫大な価値だった、その同じ百円が今では饅頭一個の値段になっている、という意味合いを理解すれば簡単に頷けるはずだ。日本は英国と同じ金融抑圧の道を歩んで世帯没落の道を追っている。だいたい安倍政権の折に500兆円を超える国債発行、すなわち借金でデフレ対策を解決しようと試みたのは誰の責任だろうか。一体インフレ目標が景気を誘発するという洗脳は誰から受けたのだろう。本来高くなるのを抑えるのがインフレ目標のはずが、物価高に向かわすインフレ目標の意味が全く分からない。景気が加速する状態でマネーサプライを減らしたり金利を上げて通貨安を防ごうというのならわかるが、インフレを加速させて景気を上げるというのは経済学者の机上の空論に過ぎない。ケインズが言うように、インフレは世帯に対する見えない課税だというのはその通りだ。それでなくても財政がひっ迫して、もはや収入の半分は税という重税国家日本なのに、インフレで更なる課税を背負わされている。円安は加速する一方だと認識して、日本国民はせめて資産防衛をする必要がある。日本人は未だに円の通貨信仰が強すぎる。万札は刷れば刷るだけ価値が膨らむという円信仰がMMT論者だ。

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