2007年4月18日水曜日

長子国家

世界がアメリカを中心として回る為に、アメリカはどうあるべきかをアメリカは常に思考し続けている。理解を超える戦略も、理屈に合わぬ外交態度も全ては先の先まで見通してのことだ。日本は今、政府の借金が1000兆円に迫ろうとしている。アメリカはどうかというと家計の借金が1000兆円を超える。今までの日本の家計のように貯蓄という意識はあまりない。貯蓄よりも投資して資産を育てることを考える、と言うよりそう政府に仕向けられている。大きく分けて債権と不動産だが、とりわけここ五年六年の間は住宅購入が投資の流れだ。五年前に比べて全米平均の価格上昇は二倍近くなっているのではないだろうか。私が住んでいるカウンティーは三倍以上の上げ幅になっているところもある。自分はアパート住まいだからどうでもいい話だが、ここまでの上げ幅だと下手に仕事をするよりは住宅の売り買いを短期で回したほうがよっぽど資産は増えていく。アメリカは住宅ローン支払い途中でもその住宅の価値分の新たなローンを組むことが出来る。ホームイクイッティーローンがそれだ。使用用途は問われることな簡単に貸してくれるから、借りては買い借りては買いを繰り返す。過去五年の住宅購入の七割方がセカンドハウス、サードハウスだという統計からもその流れが良く解る。住むための購入ではなく明らかに投資対象だ。たとえ平均年収十万ドルとしても、平均住宅価格が年収の六倍七倍に迫る状況は明らかにバランスを逸している。ソフトランディングか何だか知らないが、この今にも破裂しそうな状況を少しずつ少しずつガス抜きしようとバーナンキさん頑張っているが、おそらく無理だと思う。遠からず必ず破裂する。アメリカという国は実に面白い。いかにも国民に目を向けているようで、しかし実のところ国民をだしにしながらアメリカが世界の中心であり続けるための道具にされている。中心であり続けるためには世界経済を押さえる必要がある。そして世界経済を押さえる為に米ドルが機軸通貨である必要がある。基軸通貨であるために他国(特に日本、中国)がドルを買い続け増やし続ける必要がある。ただ持たせているだけではどうにもならないので、それを更に増やしてあげますよと誘い文句をかけ、アメリカの債権を買わす。債権の中には住宅ローンの債権も勿論ある。他国が買ってくれる債権の為に国民には借金し続けろというのが住宅バブルだ。基軸通貨であるために回し続ける必要がある。だまっててもドルが世界を回りまわった時代はとっくに過ぎている。それを今はアメリカ自身が手を変え品を変えてまわし続けている。国民の借金がどうなろうと国の知ったこっちゃない。これがアメリカなのだ。しかしだから悪だとは言えない。世界の主導権を握り神の御心に地球船の舳先を向けることが出来るなら、立派に長男としての責任を果たすだろう。イラクのフセインがユーロ建てにオイルマネーを変えようとしたことが、アメリカがイラクを叩くことの根底にある。911も実は陰では予想していたのだと、とんでも本に書いてあることも満更うそではないらしいと思えてくる。アルカイーダからフセインへどう言い訳しても無理がある。とにかくアメリカの、外見にはいたずら息子の大暴れ振りで世界は呉越同舟だ。もはやアメリカが倒れるときはアメリカだけに終わらない。日本も中国もアメリカと二人三脚であり世界全体が複雑に連鎖しあっている。勿論人類一個人一個人も例外なく根底から影響を受ける。だからこれから世界規模の変革が起こらざるを得ない。経済だけに留まらない。その変革は地球を巻き込み宇宙を巻き込んでいくだろう。神様が対することが出来る宇宙となり人類となるために先ず混沌期を潜らせ、個人から始まり全ての段階で善と悪を振り分ける作業が始まろうとしている。バブル崩壊はその突破口なのだ。

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