トランプは一方でイランにバンカーバスターを打ち込みながら、その一方でNATO諸国に軍事費5%、日本に3.5%を約束させた。防衛をアメリカ頼みではなくそれ相応により負担すべきだと詰めているが、それによるアメリカの防衛経費削減と、アメリカからより武器を買わせる諸外国の軍事費アップの意味は、アメリカの経常収支の赤字改善と武器輸出による貿易収支の黒字増しであって、これは結局は経済の話だ。トランプは関税交渉にあたって各国が保持しているドルの外貨準備の買い増しと保留の扱いを暗に仄めかしている。今売られれば困るからだ。同じように周辺の火種を材料に各国のアメリカからの武器購入を強化すべきだと露骨に責めている。MAGAはアメリカの国内製造を推し進めているが、既に多くの製造業はもぬけの殻であって売るものと言えば武器以外大してない。すなわちMAGAの手段は武器製造と武器輸出を強化するという方向に集約することになる。トランプは戦争危機に乗じてまで手を加えたり引いたりしながら負債大国アメリカの生き延びる道を模索した。ディールとして何でもありなのがこの政権だ。トランプに理解のあるタッカーカールソンですら爆撃に対して苦言を呈していたが、イランにミサイルを撃ち込むというカードを使ってまでディール材料とした。しかしこれで負債を減らす見通しがたったわけではなく、相変わらず8兆ドルもの国債償還が迫る7月8月を迎えることになる。さてその時に向かってトランプはどんな秘策を提示するのだろうか。
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