2008年11月9日日曜日

人間という媒介体

原理に書いてあるように、有形実体世界と無形実体世界の二つの世界は人間を媒介体としてお互い授受作用をすることにより、初めて神の実体対象としての世界をつくる。媒介体という意味は、両世界が授け受けるために人間として何らかの媒介行為が必要であることを言う。堕落した人間は人間本来の在り様をしていない。要するに堕落し、本来の媒介体に成り得ていない。よって今の分離した地上界と霊界の両世界は授け受けることができず、神の実体対象と成り得ていない。地上界の事物を霊化するという作業こそ媒介体としての人間の在り様、即ち万物の主管、地上界霊界の主管を意味する。人間が本来の役目を果たし媒介体として地上界霊界に関われば、両世界が神の実体対象となり新たな天地が出現すべく地上界も霊界も在り様を変えていく。人間の誕生に見るように、腹中期間は完全に地上世界のみに属し、生まれて呼吸する期間は地上世界霊界とに関わりながら、事物を霊化し自分をも霊化していく。霊の芽だけの存在として地上に重心を大きく置いていた立場から、霊の成長と共に霊界に重心を移していく。肉の衣を脱ぐと完全に霊界のみに属する。本来の感覚が封印されてしまった堕落人間は、未完成であるところの霊化されていない地上界にどっぷり浸かっている。この世で経験する事物を霊化する媒介体と成り得ていないため、受け取る事物を死に至らしめている。媒介体としての人間の位置を取り戻そうと思えば、受け取った事物を思い起こし、感謝と共に事物に対する内的霊的価値を備えてやる事で供養される。即ち神の対象となるべく昇華する。地上界霊界が授受をなしながら神の実体対象界となれば、鉱物の在り様も植物の在り様も、そして動物や人間の在り様も様変わりする。この世界そのものが様変わりする。真の愛の光を帯びて、地球が宇宙が霊化という次元上昇をなす。

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