2007年11月21日水曜日

God bless America

ドルの下落はもはや堰を切った感がある。落ちるとこまで落ちる。ドルが下がることが判りながらもFRBは利下げせざるを得ない。アメリカ経済(即ちアメリカ国家)と金融機関を救うためにドル下落など構ってられない、というのが本音だ。8月9日のクレジットクランチ、売り買いが一時的に停止して金融機関取引の空白状態が起きた。大量資金導入をして一時を凌いだが所詮血液の水増し状態だ。薄められれば薄められるほど数倍の資金が必要になってくる。あまりにも肥大化したアメリカ経済という体、癌は切り取ってリハビリからでも再スタートできれば、という状態はとっくに過ぎている。アメリカという体の細胞の一つ一つである市民が、子や孫の代になっても払いきれない借金をし、血眼になって住宅投資し始めたころには既に細胞の段階まで病んでいた。アメリカの国そのものがお釈迦になるという腹を括る必要がある。政府や当局はその実体を晒すことはない。大本営発表と同じで事の真相が暴かれると大混乱となる。取り付け騒ぎに端を発し開拓時代に逆戻りする。ドルは既に地に落ちている。ドル経済圏でその力を利用してきたアラブや中国もいつ背を向けるかしれない。原油が100ドルに迫ろうとしても原産国の収入は減りはしても増えることはない。恐らく5ドル6ドルといったところか。ドルが下がった分相対的に値が上がるか行き場のないマネーが投機筋として原油を弄ぶかで高沸しているだけだ。日本ですらいくらでもドルを買い支えてきたかつての状況とは違っている。束ねられたチューブとワイヤで繋がれた、身動きできない巨体をだれも世話してくれるものはいない。年間1兆ドルが外から入ってこなければ先ず持たない。今年は何とか誤魔化しても来年は目に見えて凋落ぶりが露わになってくる。この状況をしっかりと認識して、さあ自分はどうすべきなのか。ここに生活基盤があるなら、どう転んでも受け入れるだけの覚悟を先ず持つ必要がある。野宿する覚悟があれば生活は何とかなる。

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