2014年12月18日木曜日

今日の想い 823

私は雪男だそうだ。私が帰ると雪が降る。それも半端なく降る。もちろん夏場に帰ればありえない話だが冬に帰れば必ずそうなる。待っていましたとばかりに雪が降る。今回は自分の田舎のみならず日本の至るところで雪が降った。雪は祝福の象徴だと言うが、しかし誰も積雪は好まない。生活をむしばむからだ。生活を投げ置いて、雪積もる状況を甘受してしまえば、祝福の雪としての内的本質を受け取れるかも知れないのに、一寸先の生活に執着し食べられるかどうかの方がより重要だろうし外的にのみ生きようとする意志の方が遥かに強い。雪に包まれて冷たく死んでいくとしても、それでもいいと思えるほどの死を超える内的祝福は、唯物的現代人にとっては無用の賜物だ。私を麓の停留所まで迎えに来た老父は、荒れ狂う吹雪に進路を遮られながら、しかし決して逆らうことなく見通しがつくまで忍耐強く待っている。ホワイトアウトはその名の通り、真っ白な世界に投げ出された状態だ。色気のない真っ白な世界を拒まず忍耐強く受け入れる。私の中の色気である執着をホワイトアウトさせて、一旦全ての欲を消し去ってから新たな願望で色付ければいい。人が自分にない神霊要素、聖霊要素を受け取れる早道は、いかに内面の色や欲を真っ白にホワイトアウトできるかだ。私の内面をホワイトアウトすべく雪が降る。帰るたびに身を清めろと雪が降る。だから傍目から見れば私は雪男だ。暖冬のはずが史上稀に見る寒気を呼び寄せ、日本中を白く覆ってしまった。


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