2024年8月8日木曜日

今日の想い 1313

 株が暴落した、あくる日には暴騰したと一喜一憂の空気が日本に蔓延している。景気が良くなって株が上がっていくのはわかるとしても、株が上がったから景気がいい、逆に下がったから景気が悪いと言うのは本末転倒だ。株を取得すること、すなわちその会社の部分的オーナー権を得てどうしたいのかの動機を問わなければならないのに、上がるとみて買い下がるとみて売るのは只の利幅稼ぎの為にオーナー権を腰掛けで使っているに過ぎない。株を短期で売買できる時点で利幅稼ぎの取得者を寄せ集めていて、その会社の発展には逆効果をもたらしている。自社株買いがいつから許されるようになったか知らないが、それをすれば当然株価は上がる訳で、発展成長して株価を上げるのではなくより買いを増やす目的で裏技で上げ、上がった数値をみて腰掛け買いがさらに増やすと言う株ゲームでしかない。ようするに今の市場は金融ギャンブルであって、それもレバレッジで掛け金を何倍にも増やしてゲームできるという点では通常のギャンブルを超えている。さらに悪質なのは金融だけに経済全般に深く影響していることだ。日銀会合で決定したコンマ25%金利上げで円キャリートレード(低い金利通貨を借りて金利の高い国債や上げ率の大きい債券を買うこと)の巻き戻しが一気に起こっている。暴落したもののあくる日には暴騰したが、株価は差し引き大割れとなり、しかしまだ半分も巻き戻してはいないのを換算すると秋口からの更なる下げが予想さる。新聞の見出しはブラックマンデーを超えるという文字が躍っているが、リーマンショック以降の通貨増刷(日米欧で15兆ドル)の背景からは当然どころか、こんな下げ幅で取り敢えずは済んだというところだろう。金融システムを始めとする資本主義経済のシステム自体が疲労しており、あちこちの歪を抑えきれずにマグニチュードを最大にさせて大揺れする。確かなことはこれはほんの始まりに過ぎないということだ。

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