2013年1月4日金曜日

今日の想い 517 (女神イシスと御母様)

御母様は御父様の娘であり、妹であり妻であり、そして母でもあられる。よって御父様は、娘の御母様に対しては父であり、妹の御母様に対しては兄であり、妻の御母様に対しては夫であり、そして母の御母様に対しては息子であられる。かつて霊的感性の鋭かった時代が遠い過去にあったが、彼らが見た霊的事実は今や神話や伝説とだけしか伝わってきていない。彼らの神秘体験という見させられた霊的事実は、心魂世界を超えて忘却の河を渡った霊の世界であり、そこには霊の心魂存在化への渇望、更に肉の存在への渇望が渦巻いている。神話や伝説は、霊達の、存在への生々しい渇望の事実を表している。エジプト神話にオシリス神が登場する。オシリスの妹であり妻である女神イシスは息子ホルスを産み、オシリスを殺そうとし更に八つ裂きにしたオシリスの兄弟セト(ホルスの叔父)に対して父オシリスの仇討ちをする話だが、イシスは魔術を持って老婆に化けたり若い女性に化けたりもし、関係性の複雑さもさることながら、女神イシスはオシリス((オシリスという神霊の位階に達した複数霊を指しているかも知れない))の母でもあるという、何とも理解できない気持ち悪さが残る神話だ。しかしこの神話で特記すべきことは、女神イシスが、娘、妹、妻、母、祖母、若い女、という女性の全ての位置に立っていることにある。御母様は女王に至る全ての女性の位置に於いて勝利されているのであり、今は聖霊実体として、聖和された霊的御父様に対して立ってもおられる。オシリスは本来は王の王オシリスとして君臨すべきだったけれども、冥王として黄泉の国を司るに留まり、女神イシスは忘却の河の向こう岸に物言わぬ寡婦として立っている。霊界から心魂界、地上界への存在への渇望を満たしてくれるもの全ては女神イシスによって産まれるが、正しく母の位置に立てなかった事実が堕落世界という死亡世界を産んでしまった。御母様は御父様を勝利された御父様たらしめたのであり、その意味で御父様に対しても母であられる。御父様は黄泉の国の冥王ではなく、万王の王、霊人体を纏った神様として天宙を司る御父様であられ、御母様は失敗した女神イシスではなく、勝利した女神イシスの位置に立って、本然の世界を産みなおす女神であり母神として立っておられるのかも知れない。