2008年1月12日土曜日
生きた店、死んだ店
12月は前年比で一割の下げとなった。過去十年下げたことは無い。特にここ5年の売上げ増しは常に一割を超えるものだったが流石に昨年のサブプライムローン問題から端を発した経済悪化が響いてきている。住宅資産の価値下落はいかなる世帯にもその影響は襲い掛かる。如何ようにも借金が可能なキリギリス生活は終わりを告げた。気の遠くなるような長い厳しい冬が始まった。年が明けてもオメデタ気分は無く売上げは伸びない。平日は時間帯に拠るが客数より従業員のほうが多かったりする。手持ち無沙汰で突っ立っている従業員も中には居る。例え客は少なくともそれで従業員の動きが緩慢になるのは良くない。暇でも仕事を見つけさせ身体も頭も働かせる必要がある。魚の王様、鮪は死ぬまで泳ぎ続ける。止まる時は死ぬ時だ。我々も動き続けることを運命付けられている。とにかく動き続けることだ。身体も頭も心も。ボーっとした雰囲気は来る客も逃がす。気が張りつめ一生懸命さが漂う空気に人は吸い寄せられる。忙しい店は従業員もよく動いている。その一生懸命なオーラで更に客は集まる。繁盛店にはその相乗効果が見事に回っている。店がどういうオーラで染められているか霊視できる自分となる。太陽光から受ける朱色を感知できれば人を呼び寄せるエネルギーに満たされている。看板は赤を主体にしたものがいいし、店内でも赤を要所要所に使ったほうがいい。ついでに生命力のない従業員は赤いパンツでもはかせたほうがいい。最近オープンキッチンを良く見かけるがオープンキッチンの良さは料理行程を客が見ることが出来るエンタテイメント性にもあるが、それよりもキッチンの火を見せることに大きな利点がある。火を見る事が生命力を喚起させる。生命力が溢れてくると食欲も増える。炎に集まるのは人間の本能だ。確かにレストラン業界は今全体的に厳しい状況にある。だからこそ本物が残る。自分が信じるところのレストラン教会を打って出る絶好の機会である。売上げ、利益は後から付いてくる。
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