2008年1月20日日曜日

セクハラ

突然フロアーマネージャーから緊急ミーティングを開くから来てくれと連絡があった。何事かと不安な様子を隠せず中途の仕事を投げて来てみると差ほど現場の空気に緊張感はない。どうも事件ではないらしい。フロアーマネージャーに目配せして何事か聞くと暗い顔つきで口を開いた。あるサーバーが従業員からセクハラを受けていると報告を受け、すぐにでもそのサーバーは警察関係にレポートしかねない勢いなので急いでミーティングを開いて対処したほうがいいと言う判断からだ。その通りだった。先ずサーバー皆を集めその報告をもとに男性従業員の方へ話しを進める。サーバーの中には男性従業員も何人かいる。しかしその場は勿論女性ばかりで、その中に自分がいることがどうも場違いなようで気まずかった。申し立てたサーバーは奥の方に座っていた。東洋人なのだが南米系の顔立ちで、特に憂いのある目が印象的なのが働き始めた頃の感想だ。ずっとセクハラを受け続けていると言うが、今の今までその素振りは感じなかった。勿論彼女から何ひとつの報告も受けていない。直接言い寄られたり触られたことはないが個人的なこと体にまつわること等、明らかにセクハラだろうと言える内容を次々口にした。昨日まで楽しそうに働いていたのが嘘のように被害者意識に染まっていた。目は泳ぎ身体も声も震えていた。女性は集まると理屈抜きで同調する。彼女が言うそこまでの事は無いにしろ、ほかのサーバーもあれもセクハラこれもセクハラと、嫌な思いを味わった全てをセクハラにこぎつけて息つく暇なく話始める。なんとも女性の醜い一面を垣間見た。流石にフロアーマネージャーだけは冷静だったのが救いだった。しかし、その彼女の目を見ればわかるように寂しい人間である。人に拒まれるのを極端に嫌いその反動として我知らず馴れ馴れしく人に対する。本人は気づいてないと思うがどう見ても従業員間の関係を超えていると思われる動作が目に付いた。ホームメードだと言って手料理を持ってくる。それは別にいいのだが手が塞がった従業員に直接口に持っていったりする。何か聞いたり尋ねたりするときもイントネーションに媚が含まれる。何かにつけて危なっかしいのだが敢えて注意したりすると薮蛇で、何ともセンシティッブな内容なので様子を見るしかなかった。子供はいないが旦那はいる。時々迎えに来ていたがおそらく旦那は苦労していると思う。この手の女性は理屈は通じない。店を預かる者として火の粉がかからない様に毎日点検する必要がある。彼女の違う人格が現れたような手の返しようが脇の甘い彼女の唯一の護りの行動なのかもしれない。

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