2009年6月25日木曜日

リッチモンド店 報告 (1)

ランドロードから正式な買主の名での契約書が届き、やっと売り方である我々と、買い方であるレストランを引き継ぐ新オーナーとの正式契約に漕ぎ着けた。毎月の赤字が嵩み、任せていたマネージャーがお手上げ状態で本人に何の手立ても無い以上、かといって立てる新しい人材も持ち合わせていないのであれば、売却以外為す手はないだろう。何度も触れているように、経営不振だから手放すのが当然というような外的道理では測れない、それ以上に深い摂理的霊的道理で判断すれば、決して手放せるものではない。それでも外的な事柄に押される形で売却せざるを得ないなら、その過程を見守る者としては悶々とするものがある。その過程で様々な問題が噴出し、我々とランドロードとの間に入るエージェントが問題をより複雑にし、遅延し停滞し、この間の霊的内的闘いは楽なものではなかった。問題処理や尻拭いに新しいものを創る喜びや希望的感情は伴わない。後ろめたさや負債やら、頭を落とさざるを得ない感情を引きずる。買い手との遣り取りは今回が3人目だ。最初はある兄弟が関心を示し、最終契約まで漕ぎ着けたものの、引継ぎの段階で病気になり彼の士気が失せて流れてしまった。我々の手を一旦は離れるとしても食口であるなら御父母様の店に対する願いを引き継いでもらえると思い安堵したのだか、安堵した途端、ほんの一押しの試練で押し潰れてしまった。二回目は三十前後の若い女性がパトロンに頼んで自分名義の店を持とうとして話を持ち込んできたのだが、女性は女性で、自分で商売する気はなく、パトロンはパトロンで金の話になるとうやむやだった。それでこちらから断りを入れて、今回が三回目である。引継ぎの為に彼が店に入った途端体調を崩し、初回の悪夢が胸をかすめる、そんな試練から始まった。胃がきりきりと痛いらしく、他の件もあって私が尋ねた折には腹を押さえてうずくまっていた。しかし彼は打たれる事から来る、先々への不安に打ち勝った。原理を知らず、霊界を知らない彼であるけれど、彼の店に対する意志は明確で原理的でさえある。

0 件のコメント: