2012年3月28日水曜日

今日の想い 387

シカゴを迂回してワシントンレーガン空港に昼前に着いた。成田を飛び立つときの寒さとは打って変わって、20度に近い大気が飛行機の出口で迎えてくれる。シカゴオヘア空港でも軽装が目立ち随分日本とは様相が違うとは思ったが、ワシントンに着いて外気に触れると、改めて解放感のあるアメリカの春に吐息が漏れた。預けていた荷物を引き取ると、疲れ果て項垂れている妻を元気付けながらタクシーに押し込み自分も飛び乗った。ワシントンはポトマック川がチェサピーク湾へと流れ込む地域の北側の町だが、その対岸に沿っているパークウェイを北西に昇って行く。川沿いを走ればポトマック川を挟んで、ジェファーソンメモリアル、リンカーンメモリアル、ワシントンモニュメント、そしてケネディーセンターが横並びに見える。タイダルベイスンはメモリアル群の中の人口湖だが、日本から届いた桜の木がこの湖の周りを囲んでいて、湖に映る桜がワシントンの代表的なポストカードの絵柄になっている。桜の開花はピークに達しているようで、車からは遠目にしか見えないが、開け放たれた助手席の窓から桜の甘い匂いが流れ込んできて、手を伸ばせば届きそうなくらいだ。頭の中を空っぽにして甘い風に吹かれるに任せ、適度な疲労感に眠るでもなくまた覚めるでもなく、迎えてくれるこの街の大気に暫く身を預けた。今回の一時帰国が当初の計画とは少しずれたものとなった。正直負債もある。でもその時点でそう判断するしかなかったのは確かだ。今はただ快く迎えてくれるに甘えて、とにかく一歩を踏み出したい。ありがたいことに溜まった仕事が私を必要とし、私を待ってくれている。

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