2009年5月9日土曜日

今日の想い 80

寝起きしている校舎の隅に二人で赴き、恥じらいがお互いにあるのか幾分ハス向かいに腰を下ろした。こんな瞬間が訪れた事に対して手放しで喜ぶと言うより、自分の人生では有り得ないだろう状況に今自分がいると言うことがただただ不思議だった。マッチング会場では後ろの方にいた為、受けるとしてもずっと後の方だと思っていたが、始められて直ぐにも声をかけられ決めて戴いた。決められたカップルの会話の場である校舎までは顔も合わさず、隣に沿って歩く気配から背丈ばかりが気になった。校舎の床に腰を下ろして始めて、ゆっくりと顔を見合わせた。笑顔が輝いていた。それが第一印象として今でも褪せることなく焼きついている。その時何を着ていたかとか何を話したかとかの記憶は飛んでいる。相対者からは笑顔の印象をのみ受け取り魂に満たした。三十年に近い年月を経て寝食を共にすることで、お互いの心の隅々までも手に取るように解るようになる。私が相対者の心の中に生き、相対者が私の心の中で生きる。夫婦となりひとつになるとは、ひとりの人間として存在しているような在り様を家庭に於いてなす。内的霊的世界に於いて家庭単位の存在体として活動する。人間ひとりひとりが固有の魂を保持しているように、家庭の魂を作り上げ保持する。ひとつになる過程に於いては様々な葛藤がお互いの心の中で渦巻く。葛藤がお互いの距離を遠ざけるのでなく、ひとつになった家庭魂を作り上げる為の触媒として働く。様々な内的霊的化学反応を繰り返しながら球体の家庭魂を築き上げていく。ちょうど宇宙生成に於いて様々な神霊存在がぶつかりながらもアップグレードした調和体を築いてきたように、葛藤の末に次元を上げて創造された神霊世界の外的表示体が惑星存在や恒星存在、そして銀河系であるように、家庭という宇宙を創造形成している。第一印象として受け取った笑顔が多くの葛藤を超えていくことで深みを増していく。御母様の笑顔に見るようなより味わい深いものとなりより感情を揺り動かすものとなっていく。

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