2009年2月6日金曜日

今日の想い 53

目にすれば吸い込まれそうな真紅の花びらが、触れれば溶けそうな微細なシルク状の表面が、私の目を釘付けにする。その茎を切れば滴るであろう緑の植物樹液から、その花は形作られ赤く染められる。そのように人間の中に流れる血液で、人格完成をなし人間理想として花咲かせる、そういう本来の高次の存在としてのあるべき位置や担う衝動を、人間は失っている。植物樹液の流れの背後に、枝を伸ばし葉を広げ花を咲かせようとさせる存在の、強い衝動を受け取る。見様によっていろんな表情を見せる、その深みのあるバラの花びらを見つめていれば、魂に受け取る熱いものが伝わってくる。薄汚れた地面に散ってしまった花びらでさえ、捨てきれない情熱を発散させ、優しく触れるのさえ躊躇させるほどだ。そんな感情として受け取るものこそ、花を花として咲かせる見えない存在様相であろう。一輪のその花でさえ、誰に見止められるとも知らぬ、その花を咲かせることの理想を健気に全うしている。その姿を前にして自分は恥かしく思う。今の在り様に満足し、高みを目指す意志に欠ける。その深い深い赤色に込められているほどの深い心情を、あい対する事柄に込めているだろうか。あらゆる知識と知恵を手に入れたように奢っていても、この目の前のバラの花を咲かせるほどの知識と知恵にさえ、脱帽しひれ伏さざるを得ない。赤いバラは人間理想に向かって生きようとし、低い次元にある堕落本性を捨て、本然の人間本性を取り戻したいという衝動を与える。堕落本性が浸み込んだ血液を浄化し、祝福を通して戴く真の父母からの血統に繋がる、溢れる心情のストリームとしての血の在り様の象徴が、天一国国花としての薔薇だろうか。

0 件のコメント: