2010年2月2日火曜日

今日の想い 138

白髪交じりの頭髪が、昨夜からの熱に身体を転がせ続けたせいか、絡まったままにされている。腫れぼったい顔に虚ろな目を泳がせながら、熱によるだるさでソファーに寄りかかる。いつもはそれなりに紅も付け化粧もしているけれど、その意志を無くして曝した素顔に、それとなく目を逸らしてしまう。その辺りに落ちている枯れ枝のような腕を小刻みに震わせながら、むくんだ足をゆっくりさする。言葉が理解できないのを嘆きながらも、人一倍、店のフロアーを往復している姿をカウンターから見ていたのが昨日の事のようだ。張りのある声で小さな二人の子供を追いかけまわしていたのが、ついこの間の事のようだ。時は残酷ではある。外的な事柄のみを意識に上らせれば時は全てを色褪せさせ収縮させる。様々な色合いを表情に溢れさせ、溌剌とした動きから精気を発散させていた当時の輝きは今は無い。色合いのひとつひとつを失ってきた。艶やかな輝きを失ってきた。しかし本当は失ったのではなく捧げてきたのだ。捧げたものを今子供の中に見ている。捧げたものは御国の礎石として備えられていく。その気付きを得ることで、輝きを失せ収縮した身体の本質的価値を見ている。身体をすり減らすように、精神的歩みの中で心を配り心をすり減らしながら、より大きな魂存在を成長させている。家庭の中で心を燃やして家庭としての魂を成長させ、この国に心を燃やして国としての魂を育て上げ、人類一家族の理想に心を燃やして地上天上天国を築き上げ、私と言う霊は育てたものの中に、築き上げたものの中に安住する。

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