2011年12月2日金曜日

夕暮れの空

透明度の高い大気の向こうに日がしっかり沈むと、沈んだあたりを中心としてオレンジ色が地平の両端へと広がっている。その上へ向かって紺碧が滲み始め、次第に色を濃くしながら見上げる九十度の角度で漆黒に吸い込まれていく。さして遮るものもなく、少し高めの丘陵の上に立てば地平をぐるりと一周して見回せる。まだ日が落ちて間もなかった空が明るいうちは、西半分の地平がオレンジ色に染まり、西に背を向けて東半分にはワインレッドを白い布に零(こぼ)したような薄紫に染まっていた。刻一刻と移り変わる黄昏の色合いは、壮大な天空のショーを見ているようだ。絵の具はいろんな色を混ぜていく毎に黒くなっていくけれど、光はいろんな色を混ぜるにしたがって白くなっていく。昼は色んな光の色を取り込んで白昼となり、夜は色んな絵の具(色の本質)を孕んでいて漆黒となる。黄昏時は光の群れから色の本質の群れへと交替する交替式が行われ、逆に夜明け時は色の本質の群れから光の群れへと交替する交替式が行われている。光の群れは生命体を生かし輝かす天使の群れであり、色の本質の群れは精神を司る神霊の群れだ。夜や漆黒と聞けばそれとなく忌み嫌い遠ざける時代を生きてきたけれど、身体を超える内的霊的なものに目覚め霊的高みへと向かう為には、夜や漆黒の中から産み出して取り出さなければ、創造される神様の子として創造の力を相続したとは言えない。御父様は億万のサタンが跋扈する心魂世界を通過され、更にその奥である漆黒の闇の底に下っていかれながら色の本質、数理の本質を取り戻してこられた。御父様が言われるように、神様は色盲だけれども愛の色は認識される。霊界も心魂世界も地上も、真の愛が浸透し、真の愛に染まっていくことで神様が認識できる世界に変わっていく。神様が地上に生きて働かれる。黄昏の天空のショーに宵の明星がひときわ輝いている。ルーシェルが明けの明星と言われるように、闇と光の間に関わり心魂世界をかき乱して地上世界を堕落的なものとしてしまったが、人間が真の父母を通して根源である神様に帰る為に、宵の明星としての役目を担っている。

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