2009年9月23日水曜日
第二の株価フリーフォールで奈落を見る
アメリカの金融機関がどれ程の損失を抱えているかは、保有証券時価の評価停止を受けることで隠されたままになっている。それなりに評価できるものであれば、政府からの莫大な資金繰り支援を受ける必要はないだろう。三月以降、株価は上がり続けているが、これはあくまで各国政府の緊急策が出揃い政府資金の流入による期待効果で株価上昇に転じただけのことであって、株価に見る数字の推移を景気動向の表れと見る者はおらず、ある適度の上げ幅を捉えて確定売りをしてくる事は目に見えている。更にその売買資本は金融機関に貸し付けた支援金であって、返す当てのない国の金で博打をしている訳だ。にも拘わらず景気の底打ちを表明し、上向きになりつつあると言うような安心感をFRB議長を始め関係者が口にしているけれど、実体経済を直接見聞きし肌に感じる場に居ればそれは有り得ない。金融機関は支援金でジャブジャブにされながら、無茶苦茶な粉飾決算で利益が出たことにされて、経営陣はバブル当時のボーナスを又も懐に入れている。そこには商売人としての道徳や良心の欠片も見出せない。こうした腐りきった貪欲の輩をのさばらせるなら、もはやアメリカの摂理的意味は見出すことは出来ないだろう。消費すればするほど金が出てくる、打ち出の小槌の妄想をアメリカはここ数年見続けてきた。金融引き締め、緩和策は消費者物価動向を見ながら決められてきたが、資産価格が天井知らずの状態にあっても緑の爺さん(グリーンスパン)はあいも変わらず物価動向だけを瓶底めがねで見続けて、何もしなかった。妄想状態に国民が浮かれているにも拘わらず、何もしなかった。誰も価値の後付けをしてくれないプリントマネーを、いや好きなように打ち込まれたデジタルマネーを、好きなほど実体経済に放り込み、マネーが血液としての役目を果たせず、透き通るほどに薄められたフェイク血液を大量に投入されれば、心臓としての金融機関は肥大症で爆発寸前だ。恐竜アメリカの命運は外貨準備高二兆ドルを保有する中国に掛かっている。その三分の一を占める米国債を処分するなり或いは、これ以上の米債の増加保有をしなければ、七千億ドルの貿易赤字を続ける米ドルは無価値となる。FRBは十月以降、これ以上の国債に対する買取を停止すると言うが、続ければ価値下落を米債保有国に対して裏付ける事となり停止措置は止むを得ない。FRBが買い取ってもマッチポンプで意味は全く無いのだが、子供だましの見せ掛けさえも辞めてしまってこれからどうするのだろう。恐竜アメリカが倒壊する日も近くなった。
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