2011年11月4日金曜日

リパブリック讃歌

南北戦争の時代に、北軍の行軍曲として歌われていたのがリパブリック讃歌だ。もともとは黒人霊歌のメロディーであったようだが、奴隷制廃止の活動家であり詩人でもあったジュリアウォードがこの曲に感銘を受け、閃くようにして歌詞をつくり、行軍曲として歌われていた。今でもアメリカの愛国歌としてアメリカ市民なら誰でも知っているほど愛唱されている。神の正義であり真実が必ず勝利するという、主の到来と栄光を高らかに讃美した歌になっているが、行軍曲として士気を鼓舞する歌である為に昔はうちの教会でも十字軍や結団式のおりにはよく歌われていた。この曲を聴くと私などは少し時代錯誤の感がするが、今でもこの歌をよく口にされるのがお母様だ。御父様に歌うことを促されると、このリパブリック讃歌を好んでよく歌われる。黒人霊歌のメロディーであったので、テンポよい元気な曲でありながらも、それでいてどこか哀愁を感じさせる曲だ。非人間的な扱いを受けながら、嘆きたい心、泣き叫びたい心を敢えて抑えて、強く自分の信仰を前面に押し出し進もうとする彼らの意志がこのメロディーに乗って流れてくる。この曲に共感を覚え、この曲を口にしようと思うときは、彼らと同じような内的状況であったりする。崩れ折れそうになるその状況に負けまいとして、前進する意志を差し出すときに口ずさむ。お母様がこの歌を口にされるときは心が痛い。人類の母として、過去にも未来にも誰ひとり代わりようのない御方として、私達が想像も付かないし誰も背負えない、真の母としての生きる宿命に殉じなければならない。お母様の歌われるリパブリック讃歌には、御自身を敢えて宿命に殉じさせ、自分の想いでなくみ旨に捧げられる御父様の想いのままにと御自身に強く言い聞かせられながら、御自身を鼓舞されるお母様の内面の壮絶な戦いを見ているようで心が痛い。私は、お母様の歌われるリパブリック讃歌に、真の母としての宿命に殉ずるお母様の意志を見る。

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