2012年6月22日金曜日

カナの婚礼

イエス様は何度も何度も結婚の必要性を母マリヤに訴えた。マリヤは誰よりもイエス様を母以上の立場で愛し保護しなければならなかったし、夫ヨセフを説得しなければならなかった。ヨセフは天使長の位置であって、エバを奪った天使長の逆の立場で、聖霊で身ごもった妻を訝(いぶか)る周りの目から保護し、さらに妻として関係を持つべきではない使命があったにも関わらず、関係を持って自分の子を為してしまったのであり、聖霊で身ごもったという誰の子とも知らない、自分の子でないことは明らかなイエス様を、人情を超えて保護しなければならない使命も投げ出した形になってしまった。ヨハネ伝にガリラヤの町であったカナの婚礼の話が、イエス様が奇跡を起こしたことだけにスポットを当てて記されているが、しかし御父様の説明から受け取る情景はと言うと、こんな感じになる。親戚であるカナの婚礼の場にマリヤが手伝いに来ていて、イエス様と弟子達がその場に顔を出した。マリヤはボロ布をまとったイエス様と弟子達を怪訝な顔で眺めた。家を飛び出したイエス様は貧乏人達を従えてあちこち顔を出していると噂に聞いていた。それがあろうことに婚礼に顔を出してマリヤの家の恥を晒している。マリヤは投げ捨てるように「お前たちの飲む酒はないからとっとと失せておしまい、、。」と告げると、イエス様は言葉を返した。「人の婚礼の準備をするより、私の婚礼の準備をすべきなのに、私のことは投げ出して置いてそのままでいいのか。もはや母でもないし何の関係もない。」と吐き捨てた。イエス様は何度も異母兄弟であるザカリヤの娘、洗礼ヨハネの妹と結婚すべきであることをマリヤに告げていた。マリヤは世間の常識から判断してイエス様の要求にはとても応えられなかったし、マリヤ自身がイエス様をまともではないと思ってしまっていた。人間的な見地で測るべきではないイエス様を、もっとも守るべきマリヤであったが、生命をかけて律法に反しイエス様をみごもり育てたマリヤでさえも、尋常を逸した天の要求には応えられなかった。イエス路程を頭だけで理解していると、マリヤの失敗を何の配慮もなく断罪しているけれど、マリヤでさえイエス様を守り切れなかったのであり、ましてや私がどうなるものだろうと、謙虚の上に更に謙虚を満たして御父様に接しなければならないだろう。