2010年3月20日土曜日

呼吸の霊的意味

背筋を伸ばし、頭を挙げ、口は閉じて目は真っ直ぐ前を向く。深い鼻呼吸でゆっくりと吸い込みゆっくりと吐き出す。肺臓一杯に吸い込んだときが最上位の水平位置であり、しっかり吐き出した時が最下位の水平位置だ。最上位が私が今霊的世界を垣間見れる、いや垣間触れる高次の限界位置であり、最下位が最も低い世界、即ちそれ以上下がることの無い地上界という底の位置だ。肉的に言えば空気を呼吸していると言えるけれど、呼吸の霊的な意味は霊の呼吸だ。人間が霊の存在であり万物の霊長と言えるのは、霊を呼吸する存在であるからだ。動物も勿論呼吸する。肺呼吸する動物を人間と同じ次元の霊の存在とは言えないが、高等動物になるほど呼吸は深い。人間は霊を呼吸しているけれど、のべつ幕なしにありとあらゆる霊として呼吸しているわけではない。魂の在り様と相対基準の合う霊として呼吸している。魂の輝度が高ければ高次の善霊を呼吸を通して身体に迎え入れるのであり、自己中心的な魂の在り様であれば自ずと自分よがりの低次霊が身体を侵食する。霊を呼吸するとせずに、霊として呼吸すると記したのは、善人も悪人も同じ呼吸をしながら霊が人を選ぶのではなく人が霊を選ぶからだ。わかりやすく敢えて二者択一で説明するなら、善人が霊の善の側面を呼吸しているのに対し、悪人は霊の悪の側面を呼吸している。自分が霊的存在であるとの認識が為されず、物質存在が心を持っているというような感覚の方が圧倒的だが、呼吸を通して霊的呼吸への意識を持ち、霊的呼吸に対する思考を深めるなら、自分が肉体存在である以前に霊的存在であり、霊によって活かされていることを感覚的に理解する。何かの事柄に主管されようとする時、呼吸は浅くなる。主管しようとする霊の存在が呼吸に縛りをかける。縛りを解くためには呼吸を深くしながら霊的な自由圏へ移行し、その霊の存在を主管する別の霊的存在を高次の霊界から迎えなければならない。悩みや問題が、思い至った気付きや言葉で解決されるとは霊的に言えばそういう意味だ。

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