2007年2月21日水曜日

ハンドルのあそびに学ぶ

ある年、氏族復帰の摂理でそれまでレストランに携わっていた多くの兄弟が国に帰ってしまった。50席に満たない小さな店を担当していたが、このしわ寄せは大きかった。ホールを除いて4人でプロダクトをこなしていたのが半分になる。募集しても誰もアプライしない。とりあえず身重の相対を使うしか方策はなかった。私がスシ担当、彼女がキッチン担当だ。臨月に入るとさすがに苦しそうで助っ人を上に懇願した。結局、生まれる一週間前まで一人でキッチンをやらせたことになる。小さな店だからと最初はたかをくくっていた。人件費がセーブできてかえっていい、ぐらいにしか思わなかった。しかしこなす量は別として仕事のプロセス量は大きい店も小さい店も変わりない。一日二日ぐらいなら何とでも出来るがこれを継続するというのは自分にも従業員にも店にも客にも無理を強いる。そしてこれが祟って自分は背中を痛めることになった。さらに従業員も仕事の多さと追いつかない準備で切れ始める。何事にも余裕というものは必要である。性も根も使い果たして明日への望みも余力も残っていないというのは責任ある者の状態ではない。特に従業員の仕事に対する余裕、時間に対する余裕、気持ちに対する余裕、(そして出来ればお金に対する余裕)は必要だ。ちょっと多いかなぐらいで丁度いい。全てにおいての余裕が売り上げ増しの期待に変わる。余裕が次なる発展の投資になる。

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