2007年2月14日水曜日

価値をどこに見るか

今を生きると言う意識は重要である。今日の歩みを一歩踏み出すことで未来は出現する。今日の歩みを一歩踏み出すことで過去の実績が生きる。今日の歩みに過去の記憶も未来の構想も含まれる。今この瞬間に為に生きてこそ生きる実感があり生きる意味がある。レストランビジネスは経験積み上げ形のビジネスである。マニュアルが役にたたないとは言わないが相手に喜びを与え安らぎを感じさせハッピーな気持ちで送り届けるのに他人が書いたマニュアルなど参考程度にしかならない。商売道具は自分の人格であり、客をどれだけ思いやるかによって客はこの店はいいとか悪いとか判断する。どれだけ人を気遣う心、愛の心が大きいかで従業員の良し悪しは判断され、そのトータルな従業員の愛の大きさが店の強さとなる。愛は為に生きる実践を通して大きくなる。したがってレストランビジネスは経験積み上げ形ビジネスである。このコンセプトを従業員はなかなか理解しない。開店当時の店に取ってひとりひとりの客がどれだけありがたいか、殆どが中途で採用になって今にいたる従業員はその感覚がわからない。客は自然に入って来るものと思っている。客が数あるレストランの中からこの店に来ることを選んでわざわざ足を運んでくれた、そこに思いを至らす想像力に欠けている。客が入ってきて顔を合わせる段階である程度勝負はつく。ウェルカムかどうか客は一瞬にして自分が置かれている状況を感覚的に判断するのだ。愛の大きさや質を嗅ぎ分ける。ある程度日数もたち慣れた従業員より右も左もわからない新米の方が客の受けが良かったりする。新入者はまだ何も知らないと言う引け目を感じている。行動は自ずと謙虚になる。謙虚さや一生懸命な気持ちで接することに客はひとつの愛のかたちを見る。しかしひと月ふた月、慣れるに従って気持ちもゾンザイになってくる。スーパーバイザーとしてごく最初よりは慣れ始めた頃から注意を向ける必要がある。レストランでの仕事自体は非常に単純なものである。仕事のプロセスや技術の習得にさほど時間を要しない。頭を絞ることもない。だからレストラン業務の位置づけは低い。その為従業員の獲得に苦労するのだがこの位置づけは間違っている。レストランに関わらず直接人と接するもてなし業は物でもなく知恵でもなく技術でもなく、より価値のある心を使うことでビジネスとなす。勿論どんな仕事だろうが心を使う必要はあるがレストランほど心をどれだけくだいたかがその価値を決定づける業種はないと思う。生きることの意味に直接関わることになると思う。宗教臭くなるほどに、これだけ意味深く捉えようとする必要はないのかも知れない。自分から進んでこの業界に飛び込んだわけではないので、自分とこのビジネスの関わりをあらゆる面から見ることによって自分が携わることの意味を見出したかった。今日も客の動きから満足度を計る。従業員の動きから心がどこを向いているかを確認する。従業員と客の間を行き交う愛の波動の周波数を感じとろうとする。

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