2007年2月25日日曜日
ポイント制
一時、店でボーナスカードシステムを導入してみた。客の消費額に対してのポイント制である。ある一定額まで貯まるとそれに見合った割引や商品に交換するというものだ。システム機はそう安くも無かったが、実は一月も経たずにやめた。プラス要因よりはマイナス要因のほうがはるかに大きかったからだ。ポイント制はひとつの囲い込み戦略である。客の少しでも得をしたいというスケベ心を刺激してこの店への選択率を大きくする。そして他店への足をこちらの店に向ける。あるいは来店回数を増やす。開店当初の店であるなら客の動機付けとしてある程度意味を為すが常連客が五割を超えている状況では反って逆効果だ。今の常連客は安いから足を運んでいるのではないし、店として安さを売りにして客を呼び寄せているのでもない。商品、サービス、雰囲気それらをトータル的に客は判断して価値を認めこの店の暖簾をくぐる。しかしポイント制に客の意識を向けると来店動機をくるわせてしまう。おいしいから来てた客が或いはうちのサービスが好きで来てた客がその意識をポイント制というスケベ心にすりかえてしまう。客の頭の中にこのポイント制が組み込まれてしまうと、もう今までの客とは明らかに違う。店は雰囲気が重要な意味をなす。雰囲気のなかでもどういう種類の客が店の空間を満たしているかというのは更に重要な意味をなす。こぎれいな高級ファッションで身を包んだ客が多ければ客もそれに合わせようとする。安物漁りの客が多ければその類の客が増えていく。ポイント制が頭に組み込まれた客が多くなってくるとディール意識の強い値に厳しい客の雰囲気となり店のクラスは下がっていく。クラスを一度下げると元に戻すのは不可能に近い。売り上げが苦しくなるとバッフェスタイルに変える店があるが、売り上げが持ち直してもバッフェを止めるわけにはいかない。値打ち感で来ている客をサービスで来る客として宗旨変えを迫るわけにいかない。値は下げるものではなく上げるものである。値を下げることは価値を下げることを意味する。どうやって商品価値をあげるか、どうやってサービス価値をあげるかそういうアイデアが自分の知恵からはもう絞れないと白旗を上げる時、最後の最後の手段として閉店覚悟でやるのが値落としだ。ポイントシステムの機器だが一時眠ってはいたが今はギフトカード機として大きな働きをしている。ギフトサ-ティフィケットだと使用額によっては返金する必要があるがカードだと残った金額分は次回来店の折に使って頂ける。
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