2009年1月31日土曜日

今日の想い 46

百件もあった店が今は三十件にも満たない。その三十件も殆どが赤字だ。もちろん世界的な不況のせいもあるがもともと損益分岐の辺りをうろうろしていて、天気も安定していて平穏な日々であれば幾らか利益も出るのだが、冷蔵庫が壊れたとか保健所に指摘されたとか、毎月何かは起こるので利益は吹っ飛ぶ。これから恐慌にでも落ち込もうかという時にどう踏ん張ればいいのか。そんな中でもうちは今までの経営状態がそれなりに良かった店の一つなので、これから新たに出店することとなった。上から言われればはいと応える習性が浸み込んでいて抜けないので、分かりましたと受けてしまったのだが、どうしたもんだろうと今になって悩む。今更ちょっと難しいですとは言えないしやるだけの事はやろうと思う。確かに二十数年もレストランに関わってきて自分の手で一軒も出店しなかったというのは、それが成功したとか失敗したとか言う以前の事として恥ずかしいことだろう。やる以上は頑張ろうとは思うが、気負いすぎて上手くいく訳はないし空回りして形にならなかったらそれこそ申し訳ないので、堅実に進めて行きたいと思う。今の経済状況で立ち上げる者はそう多くはないだろう。だからこそチャンスだと言う者もいるが、そう言う者に限って手を付けようとはしない。出店資金として留保していた金も言われるままに吐き出し尽くした。数年前のように幾らでも残高が増えていく状況には無い。火中の栗をわざわざ拾いに行くようで明らかに苦労の連続が待っている。しかしこれこそ御父様の精神だろう。苦労こそ我々の価値観だ。苦労し打ちのめされて何ぼだ。2013年までに出来る孝行だと思って顔を逸らさず骨身を曝して飛び込んで行きたい。店という存在を立ち上げる事が天宙創造された神様と同じ立場で創造することであり、どのような形であれ一度は叩かれると思う。しかしそこからが本当の出発だろう。形の上での創造は形だけのものであり、その店に汗と涙を投入し魂を入れ、そして育てることこそ本当の創造だ。人間であることの価値の一つは創造性にある。創造性を発揮してこそ自分は人間存在と言える立場に立つ。

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