2009年1月31日土曜日

未確認物体

夜中にふと目を覚ますと、左わき腹の上方に青く光る球体が浮かんでいる。風船を思いっきり脹らましたほどの大きさで、私の身体側面に沿って頭の方に移動していく。びっくりしたものの、その様相がたいそう綺麗で、中心の青白く淡く光る核から球体の表面に青白い神経が絡まりながら伸ばされ、その末端が球をかたどる形で表面を細かい木の根を張り巡らしたように被っている。無数に枝分かれした神経の中に青白く光るものが流れているようで粒子的に光る内容物が移動しているのが確認されるし、枝分かれした神経そのものも這うように動いている。その全体的な美しさに圧倒されると同時に、詳細を目にすればミミズか何かの虫が表面を蠢いているような様相に気持ち悪さも覚えた。その球体は、驚きのあまり起き上がった私の横をゆっくりと移動しながら、壁に吸い込まれるように消えていった。この存在物が霊的なものであることは確かだが、それが一体何なのか気になって仕方が無い。妻も夜中に目を覚まして引きつるような低い悲鳴を上げる事が良くある。強い薬を飲むことによる幻覚の類だと思っていた。大きな黒い蜘蛛が顔に被さってきただとか、黒い大きなものが壁に張り付いているだとかは幻覚だと思うが、この前は赤く光るボンボリが浮いているといいながら空中に合わせた視線を移動させていく。球体で光っているというその共通点を思うと、彼女が見ているものも幻覚と決め付けることは出来ないだろう。自分が見たものを幻覚だと決め付けることは出来ない。子供の頃に見た宇宙船の夢と建物や木々が洪水の後のように水に覆われている世界の夢を見たが、それ以来の不思議な出来事だった。

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