2009年10月10日土曜日

人間の本質を考える

胚種の成分を見れば蛋白質でしかないし、その蛋白質をどれほど分解してみても炭素、酸素、窒素、水素などの元素が確認されるだけで、胚種の中にひとつの植物の全ての原型が刻印されていることなど分かり様もない。それは受精卵を見ても同じことが言える。その中に生命体としての情報や遺伝されるべき情報をどれだけ探しても見つかる事はない。それでは人間の受精卵の中に生命体としての情報が組み込まれ、遺伝すべき情報が本当に刻印されているのだろうか。地上に於ける生命体の全ては地上的物質的な力と宇宙的生命的な力を取り込むことで、生命を維持しているが、生殖、繁殖に係わる事柄の全ては、地上的物質的な力は排除され、宇宙的生命的な力が働く事によって可能にしている。御父様が訓読会の場で女性から女性が生まれるのは理解できるとしても、女性から男性が生まれる理由をどう理解するのか、と我々に問いを投げかけられる。男性精子と女性卵子が結合することで新しい生命が誕生するのであって、であれば女性から男性が生まれる事への疑問が生じること事態がおかしいと普通であれば思うだろう。御父様は地上的物質的な力や作用を見るのでなく宇宙的生命的な力や作用を見るのでなければ、生殖繁殖の秘密を明らかにすることは出来ないと話されたいのだ。妊婦が男の子を孕んでいる場合、十月十日自分の中に違う性を宿しながら、自分とは違う器官を形成しなければならない。生殖過程が地上的物質的な力や作用によるのであれば同じものからは同じものを排出するだけなのだ。受精卵は組織立てられ全ての情報が組み込まれた蛋白質の塊ではなく、地上的物質的なものの力や作用を受けることのない0蛋白質、混沌蛋白質の状態にある。宇宙の創造が混沌期から生じたように、無の境地に於いて宇宙的生命的な力と作用が働く。その力と作用は母体の中に宇宙空間を築き、へその緒を通してその力と作用が投入され組み込まれていく。或る世代から次の世代へと移る際、蛋白質が宇宙全体に宇宙の塵となって曝される。曝されることで宇宙的生命的なものを受け取り、宇宙的生命的なものに流れる霊的心魂的存在を肉体形状に映し出す。人間は地上的物質的な力や作用より遥かに大きな宇宙的生命的力と作用、更には成長するに従って霊的心魂的力と作用を受け取りながら霊界生活への準備をしている。しかし内的霊的なものを無視し、地上的物質的な価値観に留まると、歴史に於いて心魂存在から動物存在を取り残して人間存在として発展したように、高次の人間存在としての発展から取り残された低次元の人間存在という別人種存在として取り残されてしまう。

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