2010年7月9日金曜日

BACKHORN

BACKHORNと言う若者のロックバンドがある。メディアへの露出は少ないので中年層以上で知っている者となると非情に少ないだろう。実を言うと私も自分から探し当てた訳ではなく、息子が聞いていたIPODをカーステレオに繋いで流したのが最初だった。初めて耳にしながら何か自分の深いところに訴えかけるものがあった。最近の曲も歌手も多過ぎるのか、どの歌を誰が歌っているのやらさっぱりわからないし、どの歌もながらで聞き流すにはいいけれど、聞いて心の内側に迫ってくるものなのかと言うと首を傾げる。しかし彼らの曲には確かに迫ってくるものがあり、響くものがあった。聞き始めはボーカルの歌い方なのか曲なのか或いは技術なのか、何が私を惹き付けるのか良くはわからなかったが、詞の訴えるものを中心に捉えると、確かにそれら全てが詞と言う言葉を演出する為に統一的に表現されていて、ひとつひとつの歌に魂が備わり、一人の人生の舞台の一幕を見るように、生きて私の内側に感情として届く。この齢でロックと言うのも可笑しな話だけれど、車で移動する時に良くかけていた。若者の生きることへの問いかけが中心的表現となっているが、勿論み言を知っている訳ではないので堕落的な表現もままある。しかしそれを差し引いても言葉が生きた魂の力として迫ってくるのは驚くばかりだ。ハイテンポな曲もスローなバラードも、ずっしりと重いものを届けてくれる。表面的な共鳴ではなく、魂の奥にあるひだを震えさせ共鳴させる。彼らの歌を聞いて決して心情が高まる訳ではないが、堕落人間の自分として認識しなければならないものを私に突き付けてくれる。「番茶に梅干し」と言う不思議な題名の曲の歌詞にこう言う部分がある。「純粋なことに心惹かれてもキレイなだけじゃ役立たずさ 罪のないのは青ばかりだろう 空の青 海の青 青い春」 これが誰かの書いた本から抜き出したものでなければ、非常に鋭い内的感性を持っていると私には思える。皆にも是非耳にされることをお勧めしたい。

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