2010年7月7日水曜日

今日の想い 189

魂が燃えている。メラメラと燃えている。悲痛な声を上げて燃えている。届かない想いが行き場を無くし、大きな火の玉でも飲み込んだように悲しみの怒りの炎が魂を舐め尽くす。信頼はかくも簡単に裏切られ、あれほどに目を輝かせて約束したのに、それが一夜にして翻される。やっと私の前に現れて、せめて御免の一言だけでも期待したのに、心を完全に閉ざしたまま視線を合わそうともしない。親として呑まされる最強の毒杯を宛がわれたように、もはや感情はひきつって何の思考も紡がない。言葉もなく、情けなくうな垂れて、親としての怒りを吐き出すでもなく、背を向けてその場を去ることしか出来なかった。手が小刻みに震える。大きな声で泣きたいけれど泣くこともできない。親と言う存在は何と弱々しい存在なのだろうか。愛の対象が自分を貶めることを親に差し出して、それをだしに親を地獄の底に引きずり込もうとする。親としては愛を差し出したつもりが、子供は親の勝手と捉える。親としてはこの戒めが、子を想えばこその愛なのに、子は足かせと捉える。この堕落の世界に多くの誘惑が、怪しい色合いを差し出し怪しい臭気を醸し、妖艶な手つきで彼らを誘い込む。無垢な裸を喰ってしまおうとそこかしこに罠が仕掛けられているのに、彼らは何もまとわず裸で飛び込む。その恐ろしい危険をどうして察知できないのだろう。只の美味しいお菓子を手に取るように足を向けてしまう。この無力感に押し潰され、一睡も出来ないまま、仕事に向かう。職場でどのように時を過ごしたのかさえわからない。訳のわからない幽界をひがなさまよい、気付いてみるとパソコンの前に座り込み、取り留めのない言葉をキイに打ち込んでいる。重苦しい靄が目を覆っていて、今の私には一寸先も見えない。

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