2010年7月8日木曜日

今日の想い 191

華氏百度を超える日が続く。ほんの少しの間を空けて再び運転席に入っても、車内は既に熱地獄だ。ハンドルは熱くて握れないし黒皮の背もたれも焼けている。窓を全開にし、兎に角ギアを入れて発進しない限り、車内の熱気は入れ替わらない。エアコンを最強にしても暫くは熱風が吐き出され、不快感を味わわなければならない。不安と怒りと心配が入り乱れ、横になっていても苦しいばかりで眠りにつけるはずも無かった。ベッドの上で頭を抱えながらも玄関のドアに全神経を集中させ、かすかな物音さえも逃さず子供の帰りを待った。それでも気付かれずに入って来たのは彼なりの負債があったからだろう。考えて見ると、例え正論であれ一方的に話し、いいか悪いかの返事だけを求めたのには無理がある。彼なりに言いたいことはあったはずだ。いや、おそらく自分の中で整理がつかず話を聞く段階でも応える段階でも無かったのだろう。それを半ば闇雲に、彼にしてみれば一方的制裁が始まった。感情を押さえたつもりでも全てを押さえ込めるものでもない。そうは言っても幾らか落ち着いた今だから言えることで、聖人でも無ければ時間を於いて行動に出ることは難しい。暫くは続くわだかまりを我慢することを自分に課し、関係の中に、これ以上たたみ掛けるように言葉を押し込む余裕は無い。エアコンがやっと効いてきて車内が涼しくなってきた。通風口を調節しながら首筋や汗の噴き出した胸元に冷風を宛がえた。素直な時の彼の言葉が熱が引いた脳裏に思い出され、胸の内でこだましている。時間を遡るほどに息子の素直さはあどけなさに変っていく。痛々しげな今の息子の表情は、子供の時の泣き顔に変っていく。涙腺は緩んで涙が止め処もなく流れてくる。親の至らなさを悔いて居た堪れなくなる。前方が霞んで見えるのは夏の暑さの陽炎のせいなのか、それともこの涙のせいなのか。

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