2012年4月2日月曜日

2012年を走る。

日中は汗ばむほどの暖かさが続いて、桜の木は緑を装う為に一斉に咲いた花を散り急がせ、一夜のうちに薄桃色は若葉色に取って変えられた。そうまで急がねばならない理由を尋ねても、なかなか答えてくれる訳ではないが、花咲く思春期を遠の昔に送った身としては幾らか残念だ。思春期にのみ受け取るあの甘い感情を、花の中に埋もれることで彷彿とさせられるのは、唯一花の天幕に覆われる事ができる桜の花の季節ぐらいだろう。甘く切ないという表現がその通りであるように、甘さに溜息の漏れ、切なさに涙も流れる思春期の凝縮した感情は、新たな心魂の芽ぶきを予感させられる。心魂を新たにした者だけに、時の霊として見せるそれぞれの年の様相を開いてくれる。毎年同じような景色を自然の中に見ながらも、しかし確実に異なる新しい景色を開いてくれる。2013年の大きな天宙的規模の転換期を前に、あらゆるものが急がれ、季節の移り変わりの中にさえ焦りが見えるようだ。2012年という時の霊の思春期は一気に駆け抜けた。終末観が人それぞれに用意されてはきたが、ここに来て全ての人類が一斉に終末的様相の急流になだれ込んでいく。2013年のD-Dayは人類のナイアガラの滝、歴史のナイアガラの滝に突入する。今年の春は花が咲くと同時に若葉も芽生えた。いつもなら時を違えてそれぞれの花が咲き始め、次第次第に若葉色が広がっていくが、今年の春は全てがほぼ同時的になるほど急がれているようだ。日本に暫くいたが、逆に日本は春が随分遅く、終末的流れに逆らっているのか或いは躊躇しているかのように思えた。入国時は暖かかったが、田舎では大雪に見舞われたり寒い日が続いていた。アメリカにしろ日本にしろ、異常気象と一括りにして現象の細部を見ようとはしないけれど、現象として現れるには必ず背後があり、意志があり、時の霊や土地の霊、様々な霊的存在の意志がぶつかりせめぎ合い、そして和合していく過程を見ている。しかし大きな歴史的天宙的大潮流にはどんな霊的存在も逆らえない。自然も宇宙も、集中的にこの大転換期に急いで準備しているように、私達も立ち止っている場合ではない。思考も感情も、そして意志もフル稼働させながら、私が準備すべき事柄を優先順位で為していく。

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