2011年7月6日水曜日

釣りに出掛ける (1)

建国記念日であるJULY4THは店も休みだし、ゆっくりしながら暮れかかる頃に花火見物に出掛けるというのが今までの常だったが、今年は魚釣りに行こうという誘いを戴いて、朝早く四時半には起きて準備し、アパートを出た。弁当を用意する為に妻は私より更に早く起きて準備してくれて、出来上がったものは二段重ねのお重に入れた立派な弁当だ。立派な弁当を抱えながら、坊主では帰れないなと思った。店に寄って大きなアイスボックスにアイスを詰め込むと小一時間走って知人の家に向かい、戸口で待っていた釣り好きの彼の釣り道具一式を車の後ろに詰め込むと、東欧系の奥さんに送られて彼の家を出た。そこからチェサピーク湾にあるソロモンアイランドまで一時間半の道のりだ。私と違って饒舌な彼の話を聞きながら運転すると目的地まであっという間だった。貸し舟業の前の公営パーキングに車をとめて、後の連れ二人と合流し、荷物を釣り船に載せて逸る心を押させるようにしながらポイントまで波を立てて飛ばした。うす雲が掛かっていて太陽熱も直接には照らさないし、いくらか風もあるし、また朝も早いのもあって過ごし易く、とにかく熱かったここ数日に比べれば船釣りには良さそうだった。日差しを遮る屋根も無く、簡易ボートに小さなモーターが付いただけのもので幾分心配だったが、外海から比べて湾は波が穏やかだし、大きな河川が湾に到達する汽水域は更に穏やかで、簡易ボートで全く問題は無いらしい。それでも動いているうちはいいが、ポイントを決めて留まるとそれなりに揺れ始める。最初何時間持つだろうかと思ったが、釣り糸を垂れると意外とこの揺れが快適だったりした。他の三人は成果を求め、船底の下へ神経を集中させることに余念がないけれども、私は釣り糸を垂れただけで、光の海の真ん中で浮かんで揺らいでいることで十分満足だった。アメリカの建国記念日にアメリカの海に繰り出し、教会に貢献している兄弟と行動し、御父様が常に意識しておられた釣りに勤しむ(?)。そこに何か深い導きを思わずにはおれない。海の中や底にいる見えない魚の動きに神経を集中させるように、この体験の意味するものがどう未来に繋がり、どんな未来の種となりうるのか、意識下にある無意識の海の中の宝を吊り上げるような気分だ。

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