2011年7月3日日曜日

今日の想い 332

アパートのリース契約を済ませる為に、再度ニューヨークに息子と出向いた。午後二時の約束だったので車の移動に五時間は見ておかないといけない。鍵をもらったら直ぐにでも入居できるだろうと、今回車に詰め込めるだけでもと思って引越の準備にも欲を出した。しかし結構荷物の詰め込みに手こずってしまって、九時を過ぎてやっとのこと出発できた。トイレ休憩もそこそこに殆ど走り詰めでぎりぎり間に合った格好だ。でもいざリース契約を終えても七月に入らなければ搬入は出来ないと言う。明日は7月に入る今日だと言うのに、それでも規則は規則だと全く譲る様子もなく、サインと保証金を納め契約だけ済ませてオフィスを出た。大家が他の人種系だったら融通も利くだろうが、そこがユダヤ系のユダヤ系たる所以であって仕方が無いだろう。契約を終えたことでよしとして諦めて帰ろうとも思ったが、用を足すついでに近くのスタバで休んでいるうちに、このまま帰ったら負けのように思えてきた。鍵を受け取り僅かの荷物でも搬入することが今回の条件だろうと思わされ、すぐさま息子に管理人に電話させて明日の入居を告げ、鍵の受け取りの約束を取らせた。一つは今回を逃したら、私自身しばらく店を離れられないだろうなと思ったのもある。そうすることに決めてしまうと決めたことを条件として新たな展開が始まる。実は今朝の準備の段階から思うように事が運ばず、いざ出発しても忘れ物があったり、店から従業員が辞めた電話連絡が入ってきて今日の営業をどうするかとか、問題が起こるときは重なり合って出てくるものだ。それに対して意気消沈するのではなく、これを超えれば何倍もの展開が開けると言う期待気分を持って対することだ。そうすると或る瞬間に、手助けする霊と邪魔する霊が交代する瞬間を見る。そうしながら今までも超えてきたし、事実、思っても見ない新たな展開が開けてきた。そういう体験を何度もしながら揺ぎ無い運勢圏が私のものとなっていく。最近は手軽な予算で組み立て式の家具を揃えることが出来る。来たついでに机とかベッドとかの必需品もこの際揃えようと、日本にもあると思うが近くのIKEAに寄って見ることにした。調べさせると近くといってもマンハッタン内には無くブルックリンまで走る必要があった。車が犇めき合うシティーの超高層ビル群の谷間を縫いながら一時間をかけてブルックリンの店まで辿り着いた。疲れた体を引き摺って広大な店内を見歩きながら、何点か息子の気に入ったものを買い揃え明日の配達に指定して店を出ると既に夜八時を回っていた。息子に検索させて近くに宿を取る事にしてやっと両足を休めることが出来たが、移動もさることながら、新しい場所で新しい人に会ったり、見るもの聞くもの触れるもの全てが私の今までの経験には無いもので、外的にも内的にもこれほどの情報量を注ぎ込んだのは初めてかも知れない。それにしてもコミュニケーションの不自由の無い息子が実に羨ましくもあり、そして誇らしくもあった。

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