2010年8月12日木曜日
今日の想い (205)
環状線の西からポトマック川南岸に沿って、DC中心部まで伸びるパークウェイがある。片側二車線のこんもりした木立の間を走り続ければ、行政区域やスミソニアンの一群の博物館が立ち並ぶモールの対岸に出る。以前はこのパークウェイの途中から出たエリアに、DC地域に立ち寄られた時の館があった為、何度もこの道路は行き来している。落ち着かぬ思いで往路を走り、安堵の思いや情けない思いで復路を辿った。御呼びがかからなくなって久しいが、この道路を走る時はいつもその感情を伴っている。123号線の出口の表示が見えると、どうしても条件反射の様にブレーキに足がかかってしまう。環状線からパークウェイに入った直ぐは、並んで走るポトマック川との落差はかなりのものだが、対向車線も隔てているし木々で遮られている為走りながらでは確認できない。DC中心部に近付けば近付くほどその落差は縮まり、最初の対岸への橋、キイブリッヂの高架橋をくぐる頃は、とうとうと流れるポトマック川を平行眼線で左に見ながら走っている。夏の緑多い木立に遮られていても、随分早いうち左前方の途切れた緑の間から、ワシントンモニュメントの尖塔の先は確認できる。復路を走れば何箇所か展望台があり、そこからポトマック川の下流に広がるのが見える、緑に包まれたDCの風景が私は好きだ。パークウェイからキイブリッジで対岸に渡るとジョージタウンの通りに出る。決して小奇麗な町並みではないがアメリカならではの趣はある。何件か日本レストランもあって、私が魚を配達していた頃は何処に駐車して運び込めばいいかいつも頭を抱えていた。キイブリッジを遣り過ごしてルーズベルトブリッジを渡るとケネディーセンターに出るが、先回リトルエンジェルスの公演がここで行われ店のお客さんも何人か招待して喜ばれた。ルーズベルトブリッジも遣り過ごすと次はアーリントンブリッジで、ケネディー元大統領や兵士達が眠るアーリントン墓地から対岸のリンカーンメモリアルに通じており、幾つかの橋の中でもモールの建築物に合わせたクラシック調で、シンプルながら気品と重厚感にあふれている。パークウェイはバージニア、マウントバーノンというワシントンの生地まで繋がっており、正式名をジョージワシントンメモリアルパークウェイと呼ばれる。要するにワシントンを始点として名立った大統領の名の付いた記念館、政府関係の建築物、橋梁や道路に繋がっている。それぞれに大統領の名を冠することでアメリカを護るスピリッツが宿っていると言う事ができる。物言わぬ多くの先駆者達がワシントンを見守っている。オバマ大統領は歴代大統領の信任を得て、その舵取りには彼らの想いが組み込まれているのだろうか。
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